活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
「いわきの農業・水産業4 団体」事業成果報告会・新商品発表会レポート (1/3)
「キリン絆プロジェクト」がくれた前に進む勇気
2018年1月30日、福島県いわき市にあるワンダーファーム内の「森のキッチン」で、いわき市の農業・水産業4 団体による事業成果報告会・新商品発表会が行われた。
会場となったワンダーファームは、新時代を先取りした食と農の体験型施設。
トマト狩りをはじめ、採れたて野菜のバーベキューや農業体験など、
大自然の中で様々な驚き(=ワンダー)を体感できる
4団体の内訳は、農業が1団体と水産業が3団体。「いわき市水産物6次化(※1)推進協議会」「いわき社中グループ」「いわき水産商品開発協議会」の水産業3団体は、2016年11月11日に「復興応援 キリン絆プロジェクト」から水産業支援の助成を受けている(3団体への支援に関する記事はこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2016/11/4.html)。
キリングループでは震災以降、沿岸部で被災した水産業者だけでなく、内陸部の農業従事者へも支援を続けてきた。農業団体として登場した「F'sキッチン」もそのひとつ。主に福島県内の生産者と料理人で構成されるこの団体は、「キリン絆プロジェクト」の支援を受けてドレッシングやジュースなどのオリジナル商品を開発してきた。
今回の事業成果報告会・新商品発表会では、4団体がこれまで取り組んで来た商品開発事業の成果を報告するとともに、一般消費者も招いて開発された新商品を試食して頂くという試みだ。
きれいに陳列された4団体の開発商品
事業成果報告会ではまず、「いわき市水産物6次化推進協議会」の代表を務める江川章さんから主催者挨拶が行われた。
「震災からまもなく7年が経ちますが、4団体は『キリン絆プロジェクト』の支援を受け、いわき市の農林水産業を復興させるという思いを胸に、工夫を凝らしながら一生懸命に新商品の開発やブランディングを行ってきました。その成果として、本日の会を開催できることを嬉しく思います。また、『キリン絆プロジェクト』の関係者の皆さんには、商品開発の当初から様々なスキルや知恵をお貸しして頂いただけでなく、前に進む勇気も頂けたことは大きな財産です。心より感謝申し上げます。今回4団体が開発した新商品が、今後も長く存続していくことを願っています」
4団体を代表して主催者挨拶を行う江川さん
続いて、公務で欠席したいわき市の清水敏男・市長の代わりに、鈴木典弘・副市長から来賓挨拶として市長メッセージが代読された。
「震災以降、いわき市では市内で生産された農林水産物の安全性やおいしさ・魅力を伝える『いわき見える化プロジェクト』を続けてきました。しかしながら、沿岸漁業ではいまだに操業自粛が続いており、沖合漁業でも水揚げ量が震災前の水準を回復していません。こうした厳しい状況の中、業種の異なる事業者が協力して新商品を開発するという4団体の取り組みは、大変心強いものです。皆さんの取り組みが実を結び、開発された商品のブランド力が向上することで、消費の拡大につながることを期待しています。いわき市としても、風評被害の払拭など市民と協力してできることを進めていきます」
いわき市の置かれた厳しい現状について言及する鈴木・副市長
また、キリンビール株式会社の橋本岩男・福島支社長からも来賓挨拶が行われた。
「事業成果報告会・新商品発表会の開催、誠におめでとうございます。この会に出席できることを嬉しく思います。4団体の皆さんが新商品を開発するというのは、新しい価値を提案することにつながると思います。キリングループではビールをはじめ様々な飲料商品をご提供していますが、それらの飲料を皆さんが開発した商品と合わせて、どのようにお客様に楽しんで頂けるかを考えているところです。また、キリングループでは新しいビール文化を提案しようと、昨年からクラフトビールの販売を始めています。クラフトビールというのは、作り手が見えるだけでなく、味のバリエーションも幅広いものです。その中には4団体の新商品にピッタリのクラフトビールもあることでしょう。新商品に合わせてクラフトビールを新しく作ることもできるかもしれません。皆さんが開発した商品のファンが拡大するよう、微力ながら協力していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします」
4団体が開発した商品のファン拡大のために協力したいと語る橋本・福島支社長