復興応援キリン絆プロジェクト

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宮城カキ養殖支援レポート(後編)

地域のニーズに合わせた支援を届ける (2/2)

大量のカキ殻を運ぶフォークリフトの支援

 万石浦の北側、内海のもっとも奥に位置する針浜カキ処理場。宮城漁協女川町支所(以下、女川町支所)が管轄するカキ処理場だ。ここで養殖されるカキの身は、小さいながらもふっくらとしていて味わいがよく、宮城県内でもトップレベルの高値で取引されることで知られている。
震災による被害も他の地域ほど甚大ではなかった。万石浦の奥という立地が幸いし、津波によるガレキは多数流れ着いたものの、海岸に建つカキ処理場に被害はなく、漁船や養殖施設が流されることもほとんどなかった。震災が起きた2011年も、前年の7割ほどのカキを収穫することができたという。

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立地が幸いして津波による甚大な被害をまぬがれた針浜カキ処理場

 その一方で、針浜カキ処理場の向かい、1キロメートルも離れていない場所にあった2つのカキ処理場は、津波で全壊してしまった。そこで針浜カキ処理場では、この2つのカキ処理場で働いていた人々を受け入れて、カキの生産を続けている。
 
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針浜カキ処理場の向かい、写真左奥に見える白い建物の両脇にあった2つのカキ処理場は津波で全壊した

 「復興応援 キリン絆プロジェクト」では女川町支所を通じて、針浜カキ処理場へフォークリフトの支援を行った。
針浜カキ処理場ではカキをむき身にして出荷するため、大量の殻が発生するが、宮城県の他のカキ生産地同様、殻を土壌改良用として北海道などに無償提供している。敷地内にはカキ殻を溜めておく「殻置き場」があるが、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の支援を受けるまでは、カキ処理場から殻置き場まで手作業で殻を運んでいた。
「今ではフォークリフトを使ってカキ殻を運べるので、作業効率も上がりますし、何より私たちの負担が減ります。今回の支援には本当に助けられています」
針浜カキ処理場でリーダーを務める木村七郎さんは、そう言って笑みを浮かべた。

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フォークリフトの支援の重要性について話す木村さん

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フォークリフトが使えるようになったことで、カキ殻の運搬は重労働ではなくなった

 広島県に次いで全国2位の生産量を誇ってきた宮城県のカキ。産業そのものは、震災により大きなダメージを受けたが、現地の人々はそれぞれの地域の実情に応じて、そして時には針浜カキ処理場のように他の地域と手を取り合って、復興に向けた歩みを全力で進めている。「復興応援 キリン絆プロジェクト」による各地域のニーズに合わせた数々の支援も、復興を目指すカキ生産者たちの大きな励みとなるに違いない。

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「復興応援 キリン絆プロジェクト」による支援をチカラに、宮城県のカキ養殖産業の復興に全力で取り組みます!

取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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