活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
地域復興に欠かすことのできない2つの施設 (2/3)
水産業復興支援の第2ステージへ
「浜の台所CASセンター 」では、「CAS冷凍」と呼ばれる特殊な冷凍技術により、調理されたばかりの漁師料理を急速冷凍。電子レンジや湯煎で解凍すれば、出来たての味がよみがえる。この冷凍品を出荷することで、本来なら越喜来地区でしか食べられない郷土料理を、全国の人々に味わってもらおうという試みだ。
「浜の台所CASセンター 」は1日に凍結処理800キログラム、惣菜生産1000食の生産能力を持つ(左) 出来たての料理の味をそのまま保存できるCAS冷凍機(中) 竣工落成式当日は紅白の垂れ幕が掛かり、お祝いの花々も飾られた(右)
「越喜来番屋」は、地元の漁業者と全国の消費者をつなぐ拠点となる場所を目指している。漁業者が作業を行う番屋機能に軒を連ねる形で建てられ、観光交流施設も完備。来訪者は漁師の作業を間近で見学しながら、漁師料理も堪能できる。他にも、「越喜来番屋」は商談や研修、また、地域の憩いの場としても活用される予定だ。
観光対応型の施設になることを目指す「越喜来番屋」(左) 施設の中には、殻をむいたカキをその場で来訪者に食べてもらえるスペースもある(右)
キリンビールによる「復興応援 キリン絆プロジェクト」の水産業支援では、復興支援の第1ステージとして、震災後から2012年まで、「養殖業の復興」に取り組んできた。岩手県のワカメ、宮城県のカキ、福島県の青ノリというように、各県の特産品に着目して、養殖再開を支援。養殖設備の復旧支援を続けてきた。
そして2013年からは、復興支援第2ステージとして、水産物のブランド育成支援や6次産業化(注3)に向けた販路拡大支援、将来にわたる担い手・リーダー育成支援などを行っていく。「浜の台所CASセンター 」と「越喜来番屋」への支援も、建物の建設を通じて、魚介類や漁師料理をはじめとした地域資源のブランド化や販路拡大を目指すものだ。
竣工落成式ではまず、「浜の台所CASセンター 」で竣工式が執り行われた。
「浜の台所CASセンター 」が建設されたのは、浜辺から約50メートル、海抜は10メートルを超える場所にある。しかし、震災前に同じ場所に建っていた商店は、津波により全壊してしまった。それでも、あえてこの場所に「浜の台所CASセンター 」を建設したのは、浜から上がった魚介類を鮮度よくすぐに調理できるようにしたいという思いがあるのと同時に、決して震災に負けることなく、復興を成し遂げて行こうという、越喜来地区の人々のゆるぎない決意の表れでもあるのだ。
女性神主を招いた竣工式では、お祓い、祝詞の読み上げ、玉串奉典、神酒拝戴などが行われた。竣工式の間、参加者は全員で黙とうや合掌を行いながら、施設の建設を祝うと共に、今後の安全運営を祈願した。