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新しい食の地域ブランドを確立する試み

KAMAROQ株式会社 「釜石海まん」商品発表会レポート (2/3)


地元の経済復興に欠かせない商品へ

 商品発表会ではまず、中村さんから代表挨拶が行われた。中村さんは「釜石六次化研究会」が設立され、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の水産業支援を受けて研究開発プロジェクトである「釜石オープンキッチンプロジェクト」が始動し、約2年におよぶ試行錯誤を経て「釜石海まん」が誕生したことで、KAMAROQ株式会社を立ち上げた一連の流れを説明してくれた。
 続いて宮崎さんから、商品紹介が行われた。今回の商品発表会でお披露目された「釜石海まん」は3種類。釜石産のホタテを魚醤に漬けた「泳ぐホタテのアヒージョ」、天然鮭を塩焼きにした「三陸天然鮭のグラタン」、そして新鮮な鯖を網焼きにした「三陸極鮮炙り鯖のカレー」だ。具材には魚介類だけでなく、釜石産のしいたけや味噌、同じ岩手県の遠野市で作られた玉ねぎや人参、また、青森産のにんにくなど、東北の山の幸もふんだんに使用されている。

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3種類の「釜石海まん」には、それぞれ商品名の焼き印が押されている

 「新商品を海まんにしたのは、海鮮中華まんじゅうのような食べ物なら、釜石の海の幸を様々な味付けで味わえると考えたからです。また、まんじゅうにすることで、未活用の資源を活用できる可能性も広がりました。実際、まんじゅうの皮には釜石市の花である、はまゆりから採れた酵母が使われています。釣りのエサ以外に用途の少ない、三陸アミエビ(エビの形をしたプランクトン)も具材の味を引き立てる調味料のような役割を果たしています。それぞれの会社が独自に作った商品では、地域ブランドにはなりにくいでしょうが、私たちのように業種の異なる事業者が手を携え協力することで、今までにない商品が生まれ、新しい食の地域ブランドとして羽ばたけると信じています。そして最終的には、釜石の人たちが地元に海まんがあることを誇りに思い、それぞれの家庭でそれぞれの味の海まんを作ってくれるのが理想ですね」

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宮崎さんは「釜石海まん」の開発に込めた強い思いと、ブランド化に向けた信念を語ってくれた

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商品発表会には、NHKや東京FM、岩手めんこいテレビ、岩手日報、日経BPをはじめ、多くのメディアが取材に訪れた

 また、中村さんからは商品のデザインや今後の販売方法などについての説明も行われた。
 「新商品の開発にあたっては、パッケージやロゴなどでも、多くの方にご協力頂きました。デザインのイラスト部分では、釜石市出身のデザイナー2人に協力して頂き、完成した計4枚のイラストは商品パッケージにも採用されています。『釜石海まん』は11月4日から10日まで、都内の百貨店で先行発売され、その後は岩手県内外で順次販売していく予定です。KAMAROQ株式会社のホームページでも、近いうちに商品を買えるようになります」

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「釜石海まん」の商品パッケージには、釜石市出身のデザイナーが描いたイラストが採用されている

 そして中村さんは、今回の商品開発が釜石市にもたらす意義についても言及した。
 「釜石市にとって水産業が持つ重要性は2つあります。それは水産業が市の基幹産業であることと、地域に根付いた産業であることです。もし基幹産業である水産業に元気がなくなれば、釜石市の地域産業は廃れてしまいます。その一方で、地域に根付いている水産業を盛り上げることができれば、釜石で生きていこうと思える人は増えるはずです」

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釜石市の水産業が持つ重要性に言及する中村さん

 長い年月と苦労の末に完成した「釜石海まん」。しかし、消費者が手に取ってくれなければ意味がない。釜石市の水産業だけでなく、地域そのものを盛り上げるためにも、「釜石海まん」の成功は不可欠な要素なのだ。

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