活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
ワカメ養殖に携わる人々の生計を立て直す (2/3)
ワカメの出荷額を押し上げるコンテナ支援
日本財団はキリンビール社からの支援金を活用し、牡鹿漁協を通じて、3月末に十八成浜のワカメ養殖部会へコンテナ保管庫購入資金の支援を実施。4月5日に行われた贈呈式では、ワカメ養殖部会の代表を務める後藤昇さんが目録を受け取った。
「ここまでたどり着くのに、苦労以上のものがあったはずです。本当にご苦労様でした。今回の支援が、被災地の生産者と全国の消費者の絆を深めるものと考えています」
キリンビール社CSR推進部の栗原部長がねぎらいの言葉を掛けた。
キリンビール社CSR推進部部長の栗原邦夫が目録を読み上げるのを、感謝の思いで聞き入る後藤さん
「このようなご支援をいただき、本当に有難うございました。お蔭様でワカメの出荷に向けて、存分に活用させていただいています」
感謝の言葉を述べる後藤さんの後ろには、キリンビール社から支援を受けたコンテナが見える。中に入ると、従業員がワカメの出荷前最後の作業に励んでいた。 十八成浜で陸揚げされたワカメは通常、沸騰したお湯でゆでられ、塩もみされた後、芯を取り除き、脱水してから出荷される。
「今回のご支援をいただけるまで、屋外で作業をしていました。冬場は寒いですし、雨や雪が降れば作業を中断せざるを得ない。しかも屋外では加工作業もできないので、ずっと生のままワカメを出荷していました。今回のご支援でようやく屋内で作業ができるようになり、有難い限りです」 後藤さんは従業員の作業を見つめながら、そう話してくれた。
ワカメの加工を再開できたことで、後藤さんの表情にも明るさが見られる
種付けの量は例年と変わらないものの、水温が低かったこともあり、今年の収穫量は多かったようだ。キリンビール社の支援でワカメの加工ができるようになり、出荷額も増えた。十八成浜のワカメは週に一度、群馬県にある流通業者を通じて、関東一円に出荷されるという。
加工作業が終わったワカメは箱詰めされ、出荷の時が来るのを待つ
被災地の人々が復興への歩を進める上で、欠かすことのできない収入源の確保。キリンビール社によるコンテナ支援は、被災地の人々の生計を立て直す、貴重な支援につながっていると言える。