復興応援キリン絆プロジェクト

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被災地の水産業復興に向けて動き出した支援 (3/3)

「スカイタンク」が地元の漁師と水産加工業者を救う

 2012年4月5日、石巻漁協が運営する製氷工場で、キリンビール社による贈呈式が行われた。

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(左)贈呈式の会場となった製氷工場。1日で最大90トンもの氷を生産できる
(右)製氷工場の壁には、2011年3月11日に襲来した津波の高さが、赤いラインで示されていた

石巻漁協が支援を受けたのは、「スカイタンク」と呼ばれる魚介類を運搬・保管するための箱13台。鮮度に敏感な魚介類を新鮮な状態に保つため、「スカイタンク」の中に氷や塩水と一緒に入れ、水産加工業者が工場で保管したり、卸売市場へ配送したりする。1台に氷だけで500キログラムは入る大容量の箱だ。石巻漁協が生産する氷を敷き詰め、水産加工工場へと送られていく。 

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(左)キリンビール社の支援を受けた「スカイタンク」
(右)「スカイタンク」の正面には、「復興応援キリン絆プロジェクト」と書かれたステッカーが貼られている

 キリンビール社では「復興応援キリン絆プロジェクト」という名称で、岩手・宮城・福島の3県において、「絆を育む」をテーマにした支援活動を展開。"地域社会の絆"や"家族の絆"を一層深めていただけるよう、「地域食文化・食産業の復興支援(農業・水産業の支援)」「子どもの笑顔づくり支援(農業高校奨学金)」「心と体の元気サポート(サッカーを通じた支援)」の3つの軸で活動を実施している。また、復興支援活動の資金として、お客様にお買い上げいただいたキリングループ商品の売上や利益の一部を役立てており、全国の人々が対象商品を購入することで、消費者と企業が一緒になって被災地を支援しようという取り組みを行っている。

贈呈式ではキリンビール社CSR推進部部長の栗原邦夫が目録を読み上げ、石巻漁協の代表理事組合長である伊妻壮悦さんに手渡された。また、「絆プロジェクト」の運営をサポートしている日本財団の荻上健太郎からも、挨拶が行われた。

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贈呈式で目録の授受を行った石巻漁協の伊妻壮悦さん(左)、キリンビール社CSR推進部部長の栗原邦夫(中)、日本財団の荻上健太郎(右)

「大変な道のりですが、私たちも一緒に頑張っていきます。できる限りのことをさせていただきます」

 栗原部長がそう述べると、伊妻組合長は「組合員と職員を代表してお礼をしたい」と感謝の言葉で応えた。

 スカイタンクはこの時期、タラや赤魚の加工工場で使われる。そして全国に出荷され、かす漬けや西京漬けとして食卓に並ぶという。5月以降は、石巻の名産でもあるギンザケの加工にも「スカイタンク」が活躍する予定だ。

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キリンビール社により支援を受けた「スカイタンク」は、赤魚やタラの水産加工工場で使用されている(写真提供/石巻市漁業協同組合)

 「石巻漁協に組合員として参加している漁師の多くも、津波で漁船を流されました。彼らが漁を再開できたとしても、水産加工工場が稼動していなければ、市場に出荷できる数は限られます。今回のご支援は、被災した漁師が水揚げする魚を買っていただく行為につながるもので、水産加工業者だけでなく地元の漁師にとっても大きな支援になると思います」
 石巻漁協の鈴木さんが説明する通り、キリンビール社の支援は被災した漁業関係者を広範囲に支えるものになるだろう。

(注1)平成19年宮城農林水産統計より
(注2)宮城県の漁業の動き(東北農政局統計情報部)より
(注3)漁業センサス2008(農林水産省)より
(注4)漁業センサス2008(農林水産省)より

取材協力/有限会社パワーボール、ピッチコミュニケーションズ写真提供/石巻市漁業協同組合

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