活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
女川の名を全国へ届ける試み (3/3)
町全体で取り組むプロジェクト
女川町の中心部は震災の津波により、住宅、商店、工場、ビル、駅などの建物がことごとく流されてしまった。現在は、復旧が急ピッチで進められている。町の復興計画により、住宅は高台へと移転することが決まっているが、盛り土をしてかさ上げした中心部には、商店や工場、ビルなどが建てられる予定だ。津波で流されてしまった女川駅も、震災前とは位置が変わるものの、同じ中心部の敷地内に再建されることになっている。
また、町の中心部にはプロムナードと呼ばれる歩行者専用の道路が敷かれる。海まで続くこの道路の両脇には、商店が立ち並ぶ予定だが、その一角に「女川ブランディングプロジェクト」の施設も建設されることになっている。
この施設では、水産業の体験プログラムに参加する人たちの受け入れを行う計画だ。また、施設内には燻製機の設置も検討されている。女川町は干物の加工技術が高く、その技術を燻製にも生かそうという試みなのだ。
「干物を食べるときは、もう一度焼く必要があったりしますが、燻製ならそのままお酒のつまみなどとして食べて頂けます。これから観光客や町外の消費者に女川ブランドの商品を販売する際、常温保存できるかどうかや持ち帰りやすいかどうか、また、日持ちの長さなどが大切になると思います。そのために、燻製の技術を培っておきたいのです」
将来的にカキやサケ、ホタテなどの燻製を商品化する予定だと阿部さんは言う。
「女川ブランディングプロジェクト」は、女川町役場をはじめ、漁業協同組合や商工会、観光協会など、町のあらゆる産業が全面的に賛同してスタートした。震災前は一匹オオカミになりがちだった漁師たちも、町の復興のためにと手を取り合い、水産業の体験プログラムをはじめ様々な場面で協力を続けている。そしてプロジェクトの運営主体である復幸まちづくり女川合同会社は、これからの女川を担う若者たちの熱気にあふれている。
「復興応援 キリン絆プロジェクト」が支援する「女川ブランディングプロジェクト」の取り組みは、女川町民の熱意を原動力にして、いつの日か広く全国にまで「女川ブランド」の名を轟かせてくれるに違いない。
写真提供/復幸まちづくり女川合同会社
取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛