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宮古贈呈式レポート

宮古贈呈式レポート 水産業の復活を地域の復興につなげる (2/3)

宮古市のファンを増やす取り組み

贈呈式ではまず、「水産加工ブランディングプロジェクト」の記者発表が行われた。会場となった宮古商工会議所には、宮古市や商工会議所の役員、プロジェクトのメンバーのほか、毎日新聞、岩手日報、河北新報などのメディア各社も取材に詰めかけた。

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会場は多くの参加者で賑わった

冒頭、宮古市産業振興部の佐藤日出海部長が、震災から現在に至るまでの経過を説明した。
 「宮古市では震災翌月の2011年4月11日に、水揚げを再開しました。当時、市内には水産加工を営む事業所が約50ありましたが、そのうち40が被害を受けました。5つの事業所は事業再開を断念しましたが、残りの35の事業所は事業を再開して頑張っています。しかし、工場を再建しても、震災前の取引先にはすでに代替商品が入っているため、販路の確保が非常に困難な状況です。キリン絆プロジェクトのご支援を受けることになった、今回の水産加工ブランディングプロジェクトは、宮古市の水産加工業の未来を左右するものになると期待しています」

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震災から現在に至る宮古市の経過を説明する佐藤部長

続いて、来賓を代表して山口公正・宮古副市長から挨拶が行われた。
 「今回のプロジェクトは商工会議所が中心となり、市内にある水産加工の4つのグループが、商品開発・ブランド化・販路拡大に取り組むものです。宮古市ではこれまで、インフラ整備などハードの支援を行ってきました。一方、今年の4月には復旧期から再生期へと移行することも決まっています。キリン絆プロジェクトによるご支援は、宮古市の産業復興を加速させてくれることでしょう。皆様の活躍に心から期待しています」

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来賓挨拶でプロジェクトメンバーへ期待を寄せる山口副市長

その後、プロジェクトメンバーによるプレゼンテーションの時間となった。
 プロジェクトの全体管理を担う商工会議所では、4つのグループに対して、専門家の派遣や販路開拓の支援といったサポートを、宮古市と連携して行う予定。最終的に、プロジェクトから生み出された新商品が、国内外で認められ、他の地域とも差別化できるブランド商品に育つことを目指している。
 プロジェクトの実施主体である4つのグループは、それぞれがチーム名を持って活動することになっている。
 「岩手の海の恵み、感謝の心 プロジェクトグループ」は、チームを構成する3社で加工原料や製造機械を共有。新しい商品やパンフレットで、新生宮古をアピールしたいと考えている。新商品としては、塩ゆでしたアワビをスライスして、天日乾燥した「干しアワビ」やスルメイカの端材を使った「スルメイカ軟骨」などを検討中。大阪などの関西圏や中国などアジアへの販売も予定している。
 「チーム 海の開拓社」は、規模の違う7つの会社で構成。今まで養殖や釣りのエサにしか使われてこなかったイサダ(オキアミの一種)を活用し、「イサダのかまぼこ」を開発する予定。イサダには健康機能を高める有効成分があると大学の研究でも認められており、今後、人気食材となる可能性も秘めている。また、サバに塩をふって粕漬けにする、福井県の伝統料理「へしこ」を、宮古の水産物を使ってアレンジもする。

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既存の商品を紹介しながらプレゼンテーションを行う「岩手の海の恵み、感謝の心 プロジェクトグループ」(左)と「チーム 海の開拓社」(右)。今までに培った水産加工の技術を武器に、プロジェクトを通じて新たな商品を生み出していく

また、「チーム漁火」は、若手経営者4人が集まった、宮古市の次世代を担うグループだ。商品にも若さ特有の清涼感や透明感を出すべく、鮮度のよい「いかそうめん」の販売を検討。また、無添加のウニを使った丼ぶり商品も企画している。
 「八艘の会」は、加盟している漁業者が8社であることと、「発想力」を生かそうという意味を込めてネーミングされた。宮古市に水揚げされる四季折々の海産物を、高級感あふれる商品に仕上げ、50代以上の世代に向けて販売する予定。具体的には、ウニ・アワビを使用したお吸い物や毛ガニの押し寿司などを考えている。また、テストマーケティングとして、首都圏のトレードショーなどに出店し、新商品の反応も見極めたいという。
 それぞれのグループは、開発した商品に宮古ブランドだと一目でわかるロゴマークを付与する。こうすることで、ブランドとしての統一感を出すとともに、商品を通じて宮古市をアピール。単なる商品の購入にとどまらず、観光客の誘致など、宮古市のファンを増やすことを目指している。

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