活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
フィッシャーマン・ジャパン贈呈式レポート 若手漁師が次世代の漁業作りに挑む (2/3)
後継者を増やすことを夢に活動
贈呈式に先立ち、フィッシャーマン・ジャパンによる事業方針の発表が行われた。会場のイトーキ東京イノベーションセンターには、団体のメンバーのほか、彼らの取り組みを応援しているオイシックス株式会社や株式会社ABC Cooking Studioの代表取締役社長をはじめ、多数の来賓が参席。メディアもNHK、みやぎテレビ、東北放送、日本経済新聞、河北新報、水産経済新聞に加え、CSR系や若者系など水産業以外の専門雑誌も含め、30を超える媒体各社が取材に詰め掛け、関心の高さを伺わせた。
会場は多数のメディアや参加者で埋め尽くされた
会場内には団体メンバーが生産する海産物のポスター写真も飾られていた
事業方針発表ではまず、フィッシャーマン・ジャパンのメンバーを紹介するプロモーション・ビデオを上映。海産物を水揚げする様子など、臨場感あふれる内容に、上映終了後には会場から大きな拍手が湧き上がった。
その後、支援者からのメッセージとして、東の食の会の代表理事で、オイシックス株式会社の代表取締役社長でもある高島宏平さんから挨拶が行われた。オイシックス株式会社は販売面で、フィッシャーマン・ジャパンの活動をサポートしている。
「皆さんの活動は、3つの点で意義深いと思います。1つ目は、本来はライバル同士であるはずの漁師たちが、チームを組んだというのが画期的な点。2つ目は、ロゴマークや写真など、ビジュアルがカッコいい点。3つ目は、でもカッコいいだけでは意味がないという点です。食品業界では、本当においしくて良いものを届けることで、初めて意味が生まれます。その意味でも、皆さんのこれからの頑張りに期待しています」
おいしくて良いものを届けることの大切さを訴える高島・代表取締役社長
フィッシャーマン・ジャパンのロゴマークは、団体名の頭文字「F」と「J」を船の碇に見立ててデザインされている
続いて、株式会社ABC Cooking Studioの櫻井稚子・代表取締役社長からも応援のメッセージが贈られた。同社は今後、運営する料理教室の中で、東北の食材を使ったレシピを展開することで、フィッシャーマン・ジャパンの取り組みを応援していく。
「皆さんと出会ったとき、とてもたくましいパワーを感じました。料理教室の生徒さんは大半が女性ですが、ネット上には食に関する情報が氾濫しすぎていて、本当に必要な情報は意外と届いていません。これから皆さんと協力して、面と向かって情報交換するなどして、本当の情報を届けることを実現したいと思います。ぜひ日本の女性を巻きこんで、東北に産業イノベーションを起こしましょう。そしてそれを日本全国、海外にも広げて行きましょう」
産業イノベーションを起こすことに期待を寄せる櫻井・代表取締役社長
また、小泉進次郎・復興大臣政務官、ヤフー株式会社の川邊健太郎・取締役副社長、ミュージシャンの内田裕也さんからも、手紙やビデオレターなどで、お祝いと応援のメッセージが贈られた。
その後、フィッシャーマン・ジャパンで共同代表理事を務める阿部勝太さんから、事業方針の説明が行われた。
今回のプロジェクトは、「営業」「イベント・催事」「商品開発」「ITサービス」の4つの事業を柱にしている。営業では、各メンバーの既存の販路を共有するのに加え、商談会に参加して新規の販路も開拓。海外での商品販売も見据え、アジア各国にメンバーを派遣して現地調査も実施している。イベント・催事では、すでに実施している朝市に加え、お祭りへの参加や地元に人々を招くツーリズムも企画している。また、鮮度の高い商品や無駄な部位を使った商品など、漁師にしかできない商品開発も実施。並行して、地元の人しか知らない海産物のおいしい食べ方も提案していく。ITサービスでは、ネットを使ったショッピングや会員制度を作るなど、水産業のITビジネス化も進めている。贈呈式の当日には、マレーシアで現地調査をしているメンバーや宮城県の海で漁をしているメンバーと会場を、リアルタイム動画を使って中継するなど、高いIT技術を披露して見せた。
そして4つの事業の先には、担い手を育成するという夢がある。団体を立ち上げ、新しいことに次々とチャレンジする自分たちの背中を見て、後に続く若者を増やしていくことが、最終的なゴールだという。
スライドを使って事業方針を説明する阿部さん
事業方針の説明が終わると、メディアとの質疑応答も行われた。メディアからは、「今後の海外展開のスケジュールは?」「皆さんが目指すカッコいいのイメージとは?」「漁業経験がまったくない人もメンバーになれるのか?」など、様々な質問が寄せられた。こうした質問に対し、フィッシャーマン・ジャパンのメンバーたちは、ひとつひとつ丁寧に回答していた。