活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
リアスフードグランプリ最終審査会レポート 高校生による東北のための料理開発 (2/3)
リアスフードを料理の主役に
プレゼンテーションでは、1次審査を勝ち上がった12品に加え、再チャレンジに名乗りをあげた1品の計13品が登場。高校生たちはスライドを使いながら、どのようにして料理を開発したか、また、どこが大変だったか、などについて発表を行った。
例えば、都内の高校生が考案したのは、気仙沼近海で獲れるカジキマグロを使った「カジキギョーザ」。食べた時の食感を大切にしたいと思い、カジキマグロを角切りにしてギョーザの皮に包んだ。また、1次審査の時に受けたアドバイスを参考に、気仙沼名物のフカヒレもネタに追加。ギョーザのタレは、豆板醤などを加えて、辛みの利いた中国風に仕上げた。
一方、気仙沼の高校生たちが開発した料理のひとつが「サメ肉団子」。サメのすり身を具にするこの料理では、くさみを消すためにお酢を使用。他に醤油やカレー粉などでも味付けし、一晩寝かせてから揚げることで、ふわふわした食感の唐揚げだんごを完成させた。
高校生たちは緊張した面持ちでプレゼンテーションに臨んでいた
こうして全12品のプレゼンが終了すると、いよいよ最終審査を行うための試食会の時間となった。
高校生たちは開発したレシピにもとづき、朝早くから準備して作った料理の数々を、自らの手でテーブルに並べた。すると3人のシェフたちが、盛り付けなど、まずは見た目の良さを審査。その後、高校生たちに質問したり、アドバイスをしたりしながら、1品ずつ、丁寧に試食を続けていった。
出来上がった料理を盛り付けする気仙沼の高校生たち
それぞれの料理にはネームプレートも添えられていた
真剣な表情で最終審査のための試食を行う、左から伊藤シェフ、熊谷シェフ、奥田シェフ
試食をしたシェフからどんな言葉が飛び出すのか、期待と不安が入り混じる一瞬だ
審査結果が出るまでの間、「気仙沼水産食品事業協同組合」の清水・代表理事から新たな取り組みへの発表も行われた。
1つ目は、新しいロゴの誕生。「リアスフードを食卓に。」というプロジェクト名にちなんで、「リアフ」と名付けられたロゴは、フライパンの上で料理が炒められているデザインだ。通常、食品業界のロゴは食材や料理をモチーフにしたものが多いそうだが、今回のプロジェクトは「みんなで作るプロジェクト」なので、あえて料理を「作っている」シーンを表現したロゴにしたという。
料理を作るシーンを表現した「リアフ」のロゴ
2つ目は、「リアフおにぎり大作戦」という名の新しいプロジェクト。誰もが好きで、かつ、素朴で懐かしい感じのするおにぎりを、お米は南三陸、のりは気仙沼、塩は気仙沼の中でも有名な岩井崎というように、三陸の素材を使って作る試みだ。おにぎりの具には、鮭、コンブ、ワカメなどのリアスフードが取り入れられる。10月には、リアフおにぎりを使って、気仙沼市の観光キャラクターである「ホヤぼーや」を作るイベントも開催される予定だ。
「気仙沼水産食品事業協同組合」では、「組合独自」「高校生との共同企画」「シェフとのコラボレーション」という3つの手法で商品開発を行う予定。今回のリアスフードグランプリは「高校生との共同企画」を目指した取り組みだが、清水・代表理事によれば、今後は「リアフおにぎり大作戦」や著名シェフとの連携のように、「組合独自」や「シェフとのコラボレーション」による商品開発にも注力していくという。