活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
女川水産業体験館「あがいんステーション」 落成記念式典レポート (2/3)
地方創生のモデルケースとなる施設へ
「あがいんステーション」の落成記念式典ではまず、女川合同会社で代表社員を務める阿部喜英さんから、主催者挨拶と事業説明が行われた。
「本日の式典には、「女川ブランディングプロジェクト」を支えてくださっている、多くの方々にご参加頂き、誠に有難うございます。女川合同会社は7名の若手事業者により、30万円の資金で始めた会社です。それぞれが本業を立て直すだけでも大変な中、町の復興のために何ができるか、みんなで泣き笑いしながら模索してきました。その結果、たどり着いたひとつの答えが「あがいんステーション」だったのです。施設が完成したことで、これからは天候に左右されず一年を通じて、水産業体験を町内外に提供できます。町の復興にはまだまだ時間がかかると思いますが、町民が力を合わせて頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願い致します」
「あがいんステーション」完成までの経緯について話す阿部・代表社員
落成記念式典には多くの人が参加。
NHK、東北放送、仙台放送、日経新聞、河北新報などメディアも多く取材に訪れていた
続いて、キリンビールマーケティング株式会社の大島宏之・宮城支社長から、祝辞が贈られた。
「素晴らしい施設の完成、誠におめでとうございます。2013年10月10日に行われた「女川ブランディングプロジェクト」の調印式以来、数え切れない苦難があったと思います。そうした中、若い力をエネルギーに変えて乗り越え、完成にこぎつけた皆さんに敬意を表します。「あがいんステーション」を拠点とした水産業体験は、官民が一体となってまちおこしに取り組む、地方創生のモデルケースとなることでしょう。キリングループは90年以上、仙台工場で事業を続けています。そのご縁を活かして、これからもできる限りの支援を続けながら、女川の皆さんと一緒に未来を切り開いていきたいと思います」
「あがいんステーション」を拠点とした水産業体験が、
地方創生のモデルケースになると考える大島・宮城支社長
また、日本財団の海洋グループで上席チームリーダーを務める、荻上健太郎から祝辞が述べられた。日本財団はキリングループが拠出した寄付金で基金を創設し、支援金の助成を行うことで被災地の水産業支援をサポートしている。
「今まで言葉に表せない苦労があったと思いますが、ハレの日を迎えることができ、大変嬉しく思います。「あがいんステーション」は単に施設が完成したことが大切なのではなく、女川の人々の心の拠点として完成したことに意味があるのでしょう。これから始まる様々な活動を通じて、この施設が多くの人々の心の拠点になることを期待しています」
施設が多くの人々の心の拠点になることを期待する荻上・上席チームリーダー
続いて、小泉進次郎・復興大臣政務官からお祝いのメッセージが贈られた。小泉・復興大臣政務官は震災直後から、女川町をはじめ被災各地へ頻繁に足を運んでいる。
「この「あがいんステーション」の完成のために、多大な努力をされた女川町民の皆さん、キリングループや日本財団、また、施設の建設や運営に協力してくださった企業の皆さんに心より敬意を表します。今日この場に来て、「あがいんステーション」は女川町の水産業の復興への思いが、詰まっている施設なんだと感じました。震災から4年3ヵ月が経ち、被災地に対する関心が薄れてきている面もあります。だからこそ、皆さんには復興への火を絶やさないでほしいです。これからも官民が一丸となって、復興への歩みを一層進めることを期待しています」
復興への火を絶やさないことを強調する小泉・復興大臣政務官
最後に、須田善明・女川町長からもメッセージが贈られた。
「今この瞬間を迎えられることを、嬉しく感じています。「あがいんステーション」は今日から正式な運用がスタートしますが、最初に動き出した人がいるから今日があるわけです。動いた人がいなければ、いまだに施設はなかったことでしょう。新しく何かを始めたこと、チャレンジしたことが、地域や社会を動かしたのです。復興というのはチャレンジの積み重ね。チャレンジなくして未来はありません。その意味で、「あがいんステーション」はチャレンジの象徴だと言えるでしょう。女川町としても、これからも皆さんの取り組みにお力添えをしながら、一緒に歩んで行きたいと思います」
新しいことにチャレンジすることの大切さを語る須田・女川町長
また、祝辞が終了すると、女川合同会社の阿部・代表社員から、「あがいんステーション」の完成に協力してくれた企業などに、感謝状も贈られた。
阿部・代表社員から感謝状を受け取る大島・宮城支社長
そして落成記念式典の最後には、テープカットが行われ、「あがいんステーション」は晴れ晴れしく落成を終えることができた。
テープカットにより無事に落成した「あがいんステーション」
式典がすべて終了すると、ホヤやホタテの殻むきをはじめとする水産業体験のデモンストレーションや、ホタテ焼き・ヒラメのムニエル・サンマのつみれ汁など「あがいん(AGAIN)女川」のブランド商品の試食も行われ、「あがいんステーション」は式典参加者、女川町民、メディアなど多くの人で賑わった。
ホタテの殻むきに挑戦した小泉・復興大臣政務官
ヒラメのムニエルはサラダにアレンジされて提供された
焼きたてのホタテはやわらかくてジューシー