活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
石巻うまいもの発信協議会 成果報告会レポート (2/3)
協議会への参加がもたらした相乗効果
来賓挨拶が終了すると、成果報告の時間となった。初めに、協議会の平塚隆一郎・副会長から、協議会全体の活動成果について報告が行われた。
「復興応援 キリン絆プロジェクト」水産業支援事業の助成を受けて展開されている「石巻味な交流プロジェクト」では、石巻市内で開発した商品を振る舞いながら行ったアンケート調査を皮きりに、試食会、勉強会、意見交換会、シェフによるアドバイス、国内外の視察、食品展や量販店の催事への出展など、商品開発に向けた様々な取り組みが行われてきた。また、キリン株式会社の紹介を通じて、協議会は量販店が主催する商談会にも参加。開発商品のPRに一役買う結果になったという。活動成果報告の最後には、気仙沼の高校生のアイデアで生まれた「気仙沼サメ肉入りのフカフカ団子」と石巻のおでんがコラボレーションして誕生した新商品、「フカフカ団子おでん」も紹介された。なお、「気仙沼サメ肉入りのフカフカ団子」は、「復興応援 キリン絆プロジェクト」水産業支援事業の中で生まれた「リアスフードグランプリ」で、見事にグランプリを勝ち取った商品でもある(リアスフードグランプリに関する記事はこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2014/09/post-40.html)。
協議会全体の活動成果について報告する平塚・副会長
成果報告はスライドを使って行われた
写真左が気仙沼とのコラボレーションで生まれた「フカフカ団子おでん」
続いて、協議会メンバー各社による成果報告が行われた。
タラコを専門に扱う会社の代表は、ハラールフード(イスラム教の律法にのっとった、豚肉やアルコールを使用していない食品)に対応するため、無着色のタラコ商品を開発。1年半をかけて添加物の厳しい基準をクリアし、ようやく認可されたという開発の苦労話を語ってくれた。今では明太子を含む全商品がハラールフードとなり、訪日外国人客への販売や海外での販路開拓を進めているという。
震災前、スーパーに生牡蠣やワカメを卸していた会社では、震災の影響で販路が失われてしまった。そこで協議会へ参加し、消費者向けの加工商品を開発することにした。今では牡蠣の燻製などの商品が、仙台駅をはじめとした土産物売り場に置かれるようになったという。
他にも、社員が商品開発のために議論するようになったり、海外まで原料を調達するようになるなど、協議会への参加がきっかけで大きく変化した各社の取り組みや相乗効果が報告された。
協議会メンバー自身の口から各社の成果が報告された
そして成果報告の最後では、今後の活動や展開についても紹介が行われた。
協議会では株式会社を立ち上げ、石巻市の復興のための再開発事業である「Asatteプロジェクト」に参画することになっている。2016年11月、石巻市内にオープンする予定の集合住宅・福祉施設・公園などを兼ね備えた建物の1階で、販売スペースの運営とレストランへの食材提供を担う。
販売スペースでは、協議会メンバー12社が開発した商品に加え、協議会が認定した付加価値の高い商品も並ぶ予定だ。また、カフェ・レストランへは、地元の農水産物の安くて新鮮な素材を提供するという。「Asatteプロジェクト」への参画を通じて、石巻市や宮城県はもちろん、全国から人々が集まる楽しい場所づくりに寄与し、最終的には地域おこしに貢献したいと考えている。
「Asatteプロジェクト」のイメージ図