活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
いいもの南三陸ブランド お披露目会レポート (1/3)
地域の復興と発展に不可欠なブランディング
2016年9月27日、宮城県本吉郡南三陸町にある「南三陸町地方卸売市場」の会議室で、南三陸ブランド戦略協議会(以下、協議会)が開発した「いいもの南三陸ブランド」商品のお披露目会が行われた。
お披露目会の会場となった「南三陸町地方卸売市場」。
東日本大震災の大津波により全壊したが、今年の6月に再建された
協議会が発足したのは2014年11月。南三陸町にある歌津・志津川・戸倉の3つの地区でそれぞれ団体を立ち上げ、地域の食材を使って商品開発を行うだけでなく、6次産業化(注)やブランド化にも取り組んでいる。特徴的なのは海産物だけでなく、山や里の農畜産物も活用しながら、商品開発を進めているところ。水産業と農業の両輪で繁栄してきた、南三陸町ならではの取り組みを続けている。
2015年7月には、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援が決定。支援を受けた3地区の団体は、震災で疲弊した各地域の暮らしを豊かにしようと、試行錯誤を重ねながら様々な商品を開発してきた。そしてこのたび、「いいもの南三陸ブランド」としてブランド認定を受けた商品のお披露目会が開催されることになった(南三陸ブランド戦略協議会への支援に関する記事はこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2015/07/post-56.html)。
お披露目会ではまず、南三陸ブランド戦略事務局の事務局長を務める小野寺文夫さんから、開会の挨拶が行われた。同事務局では、行政や大学、商工会、観光協会といった各種機関、また、6次産業化プランナーやアドバイザーなどの専門家と連携。3地区の団体から提案された商品に対し、「いいもの南三陸ブランド」のブランド認証を承認する役割を担っている。
「昨年7月に『キリン絆プロジェクト』による水産業支援の贈呈式が行われました。その後、3地区の団体は高付加価値商品を目指して様々な商品を開発してきました。そこで南三陸ブランド戦略事務局では『いいもの南三陸ブランド』を創設し、ブランド認証を与えることにしました。ブランドを付与することで、商品や地域のイメージ向上につながると考えたからです。第1回のブランド認証審査会では、8商品がブランド商品として認証されました。審査会では味はもちろんのこと、衛生管理や安全性など、いくつもの厳しい基準を設けて審査を実施しています。厳しい審査をクリアしてブランド認証された商品が、地域の復興と発展に貢献できるよう願っています」
「いいもの南三陸ブランド」を創設した経緯について語る小野寺・事務局長
お披露目会には東北放送や読売新聞、朝日新聞など、メディア各社も取材に訪れた
続いて、南三陸町の佐藤仁・町長から来賓挨拶が行われた。
「本日のお披露目会、誠におめでとうございます。昨年の贈呈式から1年あまり、3地区の皆さんが創意工夫を重ねながら、商品開発を続けて来られたことに敬意を表します。震災から5年半が経ち、南三陸町でもハード面は復旧の目途が立ってきました。これから大事になるのは生業をどうするかです。本日のお披露目会を迎えることができたのも、知恵を出し合いながら商品開発を続けて来た3地区の頑張りと、『キリン絆プロジェクト』によるご支援があったからに他なりません。町の持続可能な発展のために、これからも3地区が切磋琢磨して、素晴らしい商品を生み出すことを期待しています」
震災から5年半が経ち、これからは生業が大事になると語る佐藤・町長
また、宮城県漁業協同組合の志津川支所で、支所長を務める佐藤俊光さんからもお祝いの言葉が贈られた。
「3地区の皆さんはこれまで、大変な苦労をされてきました。その努力が実り、ブランド認証を受けられたこと、心からお祝い申し上げます。南三陸町はワカメやカキ、ホヤ、銀ザケといった養殖に加え、漁船漁業や定置網漁業で獲れる魚介類など、多彩な魚種が水揚げされる地域です。3地区の皆さんには、こうした多彩な魚種を活かして、新たな商品開発に突き進んでほしいと思います」
多彩な魚種を活用した新たな商品開発に期待を寄せる佐藤・支所長