復興応援キリン絆プロジェクト

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岩手贈呈式レポート

水産業の支援を通じて日本の食卓を笑顔に (3/3)

1日1日を大事に仕事しながら復興に励みたい

 目録を受け取った大井会長は、多方面で社会に貢献しているキリングループが、震災後、被災地に特化した支援を続けていること、また、「復興応援 キリン絆プロジェクト」に日本財団が協力していることに対し、感謝の言葉を述べた。

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キリングループと日本財団に対して感謝の言葉を述べる大井会長

「今回ご支援頂いたワカメ養殖施設や冷凍冷蔵施設は、存分に活用させて頂きます。今後も岩手県の漁業関係者が一丸となって前進していきますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます」
 大井会長の言葉に、会場内からは大きな拍手が沸き起こった。
 また、生産者を代表して、岩手県漁連副会長理事の伊藤隆一さんからも挨拶が行われた。伊藤副会長は宮古市にある重茂(おもえ)漁業協同組合の組合長でもある。半島地形を有する重茂地域は、震災前、ワカメ養殖で岩手随一の生産量を誇っていた。
 「私たちは昨年の大津波で何もかも失いました。今回のご支援は、震災後の養殖支援としてもっとも早いものでした。お陰さまで、今年のワカメの収穫に結びつけることができました。心より感謝申し上げます」

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震災後の素早い養殖支援が、今年のワカメ収穫に結びついたことを感謝する伊藤副会長

また伊藤副会長は、震災直後の重茂地域の状況や漁業者の心情についても、ありのままを話してくれた。
 「ワカメの刈り取りを始めようとしていた矢先の大津波でした。漁船も家も、一瞬で失われました。震災直後は途方に暮れ、明日からどう生活していくか、漁業はやめなければならないのか、考えるだけで漁業者は不安になりました。でも時間が経つにつれ、全国からあたたかいご支援や励ましの言葉を頂戴しました。このままではダメだ。海に奪われたものは海から取り返すんだと、重茂の漁業者が一致団結して復旧に取り組みました。震災から1年が経ち、お陰さまで復興とまでは言えませんが、そのともしびははるか彼方に見えた気がします。津波の惨状を考えると、よくここまで来られたと思います」  伊藤副会長は感慨深げに、震災後の1年を振り返った。その一方で、復興には途方もなく長い時間がかかることも覚悟している。だからこそ、1日1日を大事に、努力を重ねながら仕事に励む必要があると感じている。
 伊藤副会長の言葉に、会場にいた漁業関係者の誰もが共感したに違いない。
 贈呈式の最後には参加者による記念撮影を行い、式そのものは滞りなく幕を閉じた。

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(左)記念撮影には岩手県漁連の役員や漁業協同組合の組合長をはじめ、総勢20名が参加した
(右)贈呈式は各地の漁業協同組合の組合長が久しぶりに顔を合わせる機会にもなった

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贈呈式終了後は、メディアに囲まれて質問を受ける光景が見られた

(注1) 漁業・養殖業生産統計年報(農林水産省)より
(注2)岩手日報(2012年5月24日)
(注3)東日本大震災による漁業経営体の被災・経営再開状況(平成24年3月11日現在)(農林水産省)より

取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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