活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
[レポート一覧]
被災した工場だからこそできる支援 (2/3)
100日間に及んだ工場の清掃作業
Q 仙台工場の復旧に向けた取り組みを教えてください。
A 電気も水も止まっている状況でしたが、まずは工場の敷地を清掃するところから始めました。工場は建物の中も外も、津波で流出した缶やビンの製品、製品を運ぶパレットなどであふれ返っていましたから。地震発生直後から6月末までの約100日間、全従業員が総出で清掃作業にあたりました。
100日間も続けられた清掃作業(写真提供/キリンビール仙台工場)
Q 電気はいつ復旧したのですか。
A 7月9日です。それまでは仮設の発電機を使って、パソコンなどを駆動させていました。6月まではエアコンも使えず、トイレも仮設トイレを使用していました。工場内には社員食堂もありますが、電気が来るまでは外部からのお弁当に頼るほかありませんでした。そんな状況でしたから、工場を再稼働させることも、もちろんできませんでした。
電気が復旧してから、工場再開に向けた作業が始まります。排水設備や醸造設備などの装置も津波で一部浸水しましたので、すべて分解して一つ一つの部品を洗浄し、また組み立てるという作業を続けました。まさにゼロからのスタートです。従業員が一致団結して取り組んだからこそ、乗り越えられたと思います。
一方で、若手社員にとっては、スキルアップに生かせる貴重な体験にもなったと思います。本来なら当たり前のように稼働しているはずの設備を、一から組み立てなくてはならなかったのですから。設備や部品の役割などを頭で理解するだけでなく、体で覚えることができたのではないでしょうか。こうした体験をぜひ今後の仕事に生かしてほしいですね。