活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
新しい水産業を担うリーダーを育てる (2/3)
東北の人々自身で考える東北の強み
千葉さんによる講義の後は、「強みの洗い出し」をテーマにしたグループワークが行われた。
参加者たちは活動地域別に、岩手県の「宮古市」「釜石市」「大槌町・山田町」と「宮城県」の4つのグループに分かれ、「三陸の強み」「それぞれの地域の強み」「自社や自団体の強み」の3種類の強みを洗い出す。その後、それぞれの強みについてディスカッションを行うという内容だ。
ポストイットに強みを書き出しながら、ディスカッションを行う参加者の表情は真剣そのもの。その一方で、ふだんの仕事では接点がない自社や自団体以外の人々と交流しながら、時折、笑顔も見られるなど、グループワーク自体は終始なごやかな雰囲気で進んだ。
ポストイットに書き出された数々の強み(上) ディスカッションの間には笑顔も見られた(下)
このグループワークでは、各グループに千葉さんや「東の食の会」のスタッフがファシリテーター(調整役)として加わっている。参加者たちはファシリテーターから、「水産業以外の視点も取り入れて」「地域性を出すことで差別化することを考えて」などのアドバイスも受けながら、ディスカッションを続けた。
ファシリテーターのアドバイスに耳を傾ける参加者
強みの洗い出しが終わると、各グループから代表1名による発表が行われた。
発表の時間はわずか1分。その理由として、「東の食の会」の高橋さんから、短い時間に魅力を伝えることも、大事なプレゼンテーション技術だからという説明がなされた。
岩手県のグループからは、地域の強みとして「人がよい」「天然ワカメのシェアが40パーセントある」、自社の強みとして「水産加工の経験が豊富」「商品が高級店で扱われている」などが上げられた。宮城県のグループからは、「世界三大漁場の三陸は魚種も豊富で景色もよい」「宮城県は仮面ライダーなどの有名キャラクターが存在し、サンマやマグロの漁獲高も多い」「自社の強みとして社員が若く夢がある」といった発表が行われた。
ポストイットが貼られたシートを掲げながら、東北の強みについて発表する参加者
こうした発表内容に対し、ファシリテーターからは「具体的でよい」との評価と同時に、「それぞれの強みが顧客にとってどんな価値があるかもっと掘り下げてほしい」という指摘もあった。
またグループワークが行われている間、キリン株式会社CSV推進部キリン絆プロジェクトで、農業・水産業の復興支援を担当している古賀朗から、参加者に対し「復興応援 キリン絆プロジェクト」の説明も行われた。
「復興応援 キリン絆プロジェクト」の説明を行うキリン株式会社の古賀
現在、復興支援の第2ステージにある「復興応援 キリン絆プロジェクト」では、「水産物のブランド育成支援、6次産業化に向けた販路拡大支援、将来にわたる担い手・リーダー育成支援」の3つを主な支援内容として掲げている。
今回の「三陸フィッシャーマンズ・キャンプ」に対する支援は、その中でも特に、「将来にわたる担い手・リーダー育成支援」に合致するものだ。その一方で、キャンプを終了した参加者たちが自分たちの地域に戻り、学んだことを生かしながら、水産物のブランディングや販路拡大、地域のプロデュースに貢献することも期待されている。また、参加者たちが今後、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の新たな支援対象となる可能性も秘めている。
「人材やブランドの育成は時間のかかる活動ですが、皆さんの頑張りを少しでも後押しできるよう、キリングループとしても頑張って支援をしていきたいです」
キリン株式会社の古賀は参加者へ激励のメッセージを送りながら、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の説明を締めくくった。