活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
大槌町レポート 400年以上続く伝統と技術を絶やさないために (2/3)
協同組合を支えたサポーターの存在
「やる気とノウハウはありますが、資金はありません」
日本全国に支援を呼び掛けるために、芳賀さんたちが考えたこのフレーズ。全国紙に取り上げられたこともあり、支援の輪は一気に広まることとなる。2011年8月に設立した任意団体を発展させ、「ど真ん中・おおつち協同組合」を誕生させる2012年3月までには、全国で約5千人がサポーターになってくれた。
サポーターの皆さんは、一口1万円の支援金を寄せてくれる。芳賀さんたちは支援へのお返しとして、支援金の半額相当の商品をサポーター一人ひとりに送ることになっている。
震災前は、飲食店や宿泊施設、流通業者など、B to Bの商品を手掛けていた協同組合の4社。震災を機に、消費者でもある全国の個人サポーターとつながりができたことで、B to Cの商品開発にも目を向けることができるようになった。今では4社が各社の独自事業として、震災前同様、B to Bの事業を行うのと並行して、組合事業としてB to Cの事業を続けている。「ど真ん中・おおつち協同組合」のネットショップのサイト(http://shop.domannaka.com/)には、鮭の西京漬けやほやの燻製、サンマのつみれをはじめ、新たに開発された新商品がずらりと並んでいる。こうした新商品も、全国のサポーターとのつながりの中で生まれたものばかりだ。
「ど真ん中・おおつち協同組合」のネットショップのサイトには、食欲をそそる数々の商品が並ぶ
また、支援金以外の支援をしてくれるサポーターもいる。「ど真ん中・おおつち協同組合」では、キリン絆プロジェクトから支援を受けることが決まったのを機に、協同組合の商品に使われる商品パッケージを新たに制作したが、パッケージをデザインしてくれたのは北海道にいるサポーターだった。実際に大槌町を訪れ、芳賀さんをはじめとする協同組合のメンバーの頑張りを、間近で応援してくれるサポーターも少なくない。他にも、今でも毎月、直筆の応援メッセージを贈ってくれるサポーターもいる。
サポーターによってデザインされた商品パッケージ。
写真に写っているのは、協同組合4社の代表者たちだ
「サポーターの皆さんには、感謝の思いしかありません。現在、サポーターは4929名いますが、さらに増えることはないでしょう。これ以上増えると、協同組合としてしっかりと恩返しを続けていくことが難しくなるからです」
これは協同組合の規模やできることを考えた結果、出した苦渋の決断だと芳賀さんは言う。その一方で、震災から3年以上が経ち、「被災地」という言葉に甘えてばかりもいられないとも感じている。水産加工業者として協同組合として、「被災地」に関係なく認められるためには、世界に通用する商品を作るしかないと芳賀さんは考えている。