活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
再び青ノリを出荷することを目指して (1/3)
養殖業者の背中を押す支援
2013年4月25日、福島県相馬市にある相馬双葉漁業協同組合・松川浦支所(以下、松川浦支所)で、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援金の贈呈式が行われた。贈呈式の会場には、相馬市の副市長をはじめ、相馬双葉漁業協同組合の役員や職員など約50名が参席。福島放送や福島民報社をはじめとした、メディア各社も取材に訪れた。
贈呈式の会場となった松川浦支所。建物の1階部分は津波で破壊されたが、キリングループによる支援を得て修復された
贈呈されたのは、「青ノリ養殖関連設備復旧事業」の支援金9500万円。福島県北東部に位置する松川浦で、30年以上にわたり行われてきたものの、震災により中断を余儀なくされた青ノリ養殖の再開を支援するための助成金だ。
9500万円のうち、1133万円は青ノリの集荷施設の修復費用として活用されている。また、171万円は漁場管理用船舶やアルミ製ローラーをはじめとした、青ノリの生産に必要な機材などの購入費用に充てられている。そして青ノリを育成するためのノリ網や網を固定するのに必要なコンポーズと呼ばれる支柱など、養殖に欠かせない資材の購入のために、4809万円が支援された。残りの3387万円は、津波により破壊された青ノリの種を採取する種場を新設するための、調査や測量、造成工事などに使われる予定だ。
「青ノリ養殖関連設備復旧事業」として支援された、漁場管理用船舶(左)とコンポーズ(右)
松川浦での青ノリ養殖再開に対しては、国や福島県などからも補助金が出ているが、一定の金額は自己負担が発生する仕組みになっている。また、新規購入のノリ網やコンポーズなど、国や県からの補助金がまったく出ない場合も少なくない。青ノリの養殖が中断し、生活の糧となる収入が減少する中、養殖再開に向けて自己負担が増えることは、松川浦の養殖業者にとっては大きな重荷になることは間違いない。
そうした中で行われた、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援は、養殖再開を目指す人々の背中を押す、大きな力となるだろう。