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野田村レポート

野田村レポート 村の産業全体を支える地域ブランドを目指す (3/3)


村人全員が生活再建して初めて復興は実現する

 これから本格化する「のだ印の水産物ブランディングプロジェクト」は、野田村の人々にどのような影響を与えるのだろうか。小田祐士・村長に話を聞いてみた。
 「野田村は人口が少ない小さな村のため、村全体がひとつの家族のような雰囲気があります。水産物や農作物の収穫が落ち込むと、村全体が暗くなります。まだ仮設住宅で生活している人も多くいますが、彼らも自分の生活のことより、村の復興のことを心配しているほどです」
 だからこそ、今回のプロジェクトは重要な意味を持つと小田村長は考えている。
 「このプロジェクトは水産業だけではなく、野田村の産業全体のためのプロジェクトだと考えています。プロジェクトが動いているということは、野田村の復興が前に進んでいる証でもあり、村の人々にとって大きな励みになるでしょう。野田村では村人全員の生活再建が実現して、初めて復興ができると考えています。そのためにも、このプロジェクトを成功させる必要があるのです」

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小田村長は今回のプロジェクトが野田村の復興に必要不可欠だと考えている

 野田村では現在、海岸沿いに防潮堤を建設している。防潮堤の内側にはくぼ地が作られ、その先には盛り土も行われている。津波の威力を少しでも弱めようと区画整理されたものだ。区画整理された地域に住んでいた村人たちは、引っ越しや高台移転などを余儀なくされた。それでも村の人々は個人の復興ではなく、村全体の復興を待ち望んでいる。野田村の人々の復興に対する思いに応えるためにも、プロジェクトが成功することを期待したい。

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区画整理により、くぼ地と盛り土が作られた野田村。盛り土の上には、公園が作られる予定になっている

(注1)塩蔵ワカメは余分な塩分や水分が少ないほど良質とされる。
(注2)従来のカキ養殖では、カキの幼生(赤ちゃん)を1枚のホタテ貝の殻に数十個(20~30個程度)付着させ、海に沈めて成長させる。これに対し、シングルシード法では、ホタテ貝の殻の代わりにカキの殻を細かく砕いて粒にしたものを使用。粒はサイズが小さいので、ひとつの粒にカキの幼生ひとつしか付着しない(シングルシード=ひとつの種)。また、カキ自体を固定せずにネットやカゴに入れて育てる。そのため、幼生が密集するホタテ貝の殻に比べて、栄養が十分に行き渡り、カキの育ちがよくなると言われている。

取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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