活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
「真崎わかめフェスタ」レポート 震災で失われたわかめのブランドを再生する (1/3)
開始前から多くの人が殺到したイベント
2015年2月11日、東京都千代田区にある有楽町駅前広場で、「真崎わかめフェスタ」が行われた。
イベントを開催したのは、岩手県宮古市田老地区で活動する田老町漁業協同組合(以下、田老町漁協)。田老地区の名産であり、「色良し・味良し・歯ごたえ良し」が特徴である「真崎わかめ」の認知度を高めようと企画された(田老町漁協のホームページはこちら:http://www.masaki-wakame.com/)。
「真崎わかめ」は震災の影響で販路が縮小し、売上高は震災前の5割前後で推移している。そこで田老町漁協では、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の支援を受け、「真崎わかめ」のブランドを再生するために、ブランド強化や商品開発、販路開拓などに取り組んでいる。「真崎わかめフェスタ」もブランド再生事業の一環として開催された(贈呈式の記事はこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2014/06/post-32.html)。
10時30分の開始を待たずして、有楽町駅前広場は多くの人であふれた。新聞広告などでイベントの開催を告知していたこともあるが、首都圏では簡単に食べることのできない、三陸自慢のわかめを味わおうと、東京内外から人々が駆けつけたのだ。
「真崎わかめフェスタ」は、開始前から大勢の人でにぎわった
「真崎わかめフェスタ」の販売会場では、「真崎わかめ」をはじめ、とろろ昆布や天然カットわかめなど、7種類の商品が合計1000袋用意された。ところが販売開始から1時間足らずで、すべての商品が売り切れてしまった。
用意した商品はまたたく間に売り切れた
販売会場では新しくデザインされたパッケージの「真崎わかめ」も販売された
また、来場者にアンケート調査も実施された。「真崎わかめ」を知っているかという認知度をはかる質問のほか、わかめを食べる頻度やわかめを購入する際に考慮することなど、今後のブランド再生事業に活用するための質問項目が並んだ。アンケート用紙には、年齢・性別・職業などを記入する欄もあるので、属性ごとのアンケート結果を把握することもできる。回答すると湯通し塩蔵わかめがもらえるこのアンケート調査にも、多くの人が殺到。用意したアンケート用紙と湯通し塩蔵わかめは、またたく間になくなっていった。
アンケート結果はブランド再生や商品開発の取り組みに役立てられる
「真崎わかめフェスタ」の会場では、「真崎わかめ」のスープの試食も行われたが、長蛇の列が途切れることなく続いた。試食をした人たちからは、「本当においしいわかめですね」「地元ではいつもこのわかめを食べられるなんてうらやましい」などの声が聞かれた。また、長蛇の列の中でわかめスープを待つ人たちには、1月から2月にかけて新芽のわかめを刈り取ることで知られる「早採りわかめ」のしゃぶしゃぶも、無料で振る舞われた。
「真崎わかめ」のスープの試食には長蛇の列ができた
来場者に提供された「真崎わかめ」のスープと「早採りわかめ」のしゃぶしゃぶ