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「真崎わかめフェスタ」レポート

「真崎わかめフェスタ」レポート 震災で失われたわかめのブランドを再生する (2/3)


漁業の復興が地域の復興につながる

 開始前から多くの人でにぎわった「真崎わかめフェスタ」だが、予定時刻の10時30分になると、開会セレモニーが行われた。
 セレモニーではまず、田老町漁協の小林昭榮・代表理事組合長から、主催者挨拶が行われた。
 「本日は『真崎わかめフェスタ』にお越し頂き、誠に有難うございます。田老地区は三陸海岸の中央部に位置し、自然に恵まれた町です。しかし震災により、多くの命と財産が失われました。今も仮設住宅で暮らす人が数多くいます。地域に7つあった漁港はすべて破壊され、わかめの生産も二度とできないと誰もが思いました。そんな失意のどん底にあった私たちを勇気づけてくれたのが、全国の皆さんからのご支援と激励です。本日は皆さんへの恩返しの気持ちを込めて、多くの人に田老地区の漁師が作る『真崎わかめ』を知って頂こうと、『キリン絆プロジェクト』のご支援のもと、イベントを開催させて頂きました。『真崎わかめ』は発売から40年目を迎えます。田老地区の漁師は『真崎わかめ』で生計を立てていると言っても過言ではありません。また、漁業の復興なくして田老地区の復興もあり得ません。ぜひこの機会に、豊かな自然の中で育った、天然に近い『真崎わかめ』をご賞味頂き、友人や知人に紹介して頂ければと思います」

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全国の皆さんからのご支援に対する恩返しの気持ちを込めて、
イベントを開催したことを伝える小林・代表理事組合長

 続いて、田老町漁協で参事兼業務部長を務める前田宏紀さんから、「真崎わかめフェスタ」の概要説明が行われた。
 「田老地区では震災の影響により、約1年間、わかめの加工商品を生産できませんでした。その間、多くの販路が失われました。加えて、震災前から外国産の安いわかめが出回る中、震災後に『真崎わかめ』を供給できず、代替商品に入れ替わったことで、低価格のわかめが台頭。結果的に、『真崎わかめ』の販売量は震災前の半分にまで落ち込みました。田老地区では震災後、同じ場所に住宅を建てられず、移転を余儀なくされる人が相次ぎ、人口は1000人以上も減少。わかめ漁師の高齢化も進んでいます。今回のような販売イベントや広告宣伝を通じて、『真崎わかめ』のブランドを再生させることで、希望を持てる暮らしに寄与したいと考えています。『真崎わかめ』は天然のめかぶから種を採って養殖し、田老地区で加工している、純田老産のわかめです。この味の素晴らしさをわかる人たちに、適正価格で買って頂けるよう、私たちもネット販売や贈答用商品を拡充するなど、努力を続けていきたいと思います」

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「真崎わかめ」のブランドを再生させることが、希望を持てる暮らしにつながると語る前田さん

 概要説明が終わると、田老地区に対する支援への感謝を込めて、餅撒きが行われた。餅撒きには田老町漁協の職員に加え、日本生活協同組合連合会(以下、日生協)のメンバーも参加した。日生協では、震災前から田老町漁協製品の海産物を販売していた縁で、震災後にボランティアグループを結成。年に数回、田老地区を訪問し、仮設住宅で交流会をしたり、わかめの収穫を手伝ったりしている。「真崎わかめフェスタ」でも、商品販売や試食会を手伝うボランティアスタッフとして参加していた。

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餅撒きにも多くの人が参加した

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田老町漁協の職員と生活協同組合のメンバーは、
「真崎わかめ」をイメージした濃緑のハッピを着てイベントに臨んだ

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