活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
気仙沼メカジキブランド化推進委員会贈呈式レポート (1/3)
地元では当たり前のおいしい食材
2016年4月7日、宮城県気仙沼市にある気仙沼商工会議所で、気仙沼メカジキブランド化推進委員会が行う「気仙沼メカジキの高付加価値化による『食のまち 気仙沼』プロジェクト」の事業発表会、ならびに、「復興応援 キリン絆プロジェクト」による水産業支援の贈呈式が行われた。
気仙沼は三陸沖の豊饒な漁場を持つ日本有数の漁港であり、震災前から多種多様な魚種が水揚げされてきた。震災から5年が過ぎ、甚大な被害を受けた水産業も回復してきてはいるが、震災前の状態にはまだ戻っていない。
そうした中、気仙沼の主要魚種のひとつであるメカジキをブランド化することで、食による街づくりを実現しようと、2005年9月に設立されたのが気仙沼メカジキブランド化推進委員会(以下、推進委員会)だ。
カツオやサンマ、サメ(フカヒレ)など、気仙沼には全国的な知名度を持つ魚種が多いが、日本一の水揚げ量を誇るメカジキについては、そのおいしさや地元での評価に比べて知名度が低かった。マグロとは異なる魚種であるにも関わらず、メカジキは「カジキマグロ」と表示され、一般消費者にはマグロの仲間だと誤解されることも少なくなかった。
「気仙沼を訪れた都市部の人に、メカジキの刺身を食べて頂くと、そのおいしさに驚かれます。旬の時期になると、マグロより多く食べられるほど、地元では当たり前の食材ですが、その魅力が気仙沼以外の人たちには知られていないことに気付いたのです。そこで気仙沼市と協力して、メカジキのブランド化に取り組むことにしました」
推進委員会の菅原昭彦・委員長は、気仙沼のメカジキが抱える背景について説明してくれた。
菅原・委員長は気仙沼商工会議所の会頭でもある
菅原・委員長によれば、メカジキは刺身のほか、フライ、照り焼き、西京漬け、カレーの具など、様々な料理にアレンジすることができるという。また、イタリア、スペイン、フランスなどでも食べられている国際的な食材でもある。
メカジキをブランド化することで、多彩な食べ方を多くの人に知ってもらい、「世界に開かれた食の街」として気仙沼をアピールしていきたいというのが、推進委員会の考えだ。
また、推進委員会には、市役所や商工会議所だけでなく、漁業組合、仲買組合、観光協会、教育委員会など、地域のあらゆる組織が名を連ねている。業種の垣根を超えて、地域全体でメカジキを盛り上げようとしているのだ。
「復興応援 キリン絆プロジェクト」を展開するキリングループでは、推進委員会が取り組む「気仙沼メカジキの高付加価値化による『食のまち 気仙沼』プロジェクト」の趣旨に賛同。日本財団の協力のもと、ブランド育成、商品開発、情報発信などに対する支援として、2500万円を助成することを決定した。