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メカジキのブランディングを通じて「食の街」を実現する

気仙沼メカジキブランド化推進委員会贈呈式レポート  (2/3)


メカジキの魅力を伝えることが街づくりにつながる

 贈呈式に先立ち、推進委員会による事業方針の発表が行われた。
 会場となった気仙沼商工会議所には、日経新聞、読売新聞、河北新報、気仙沼ケーブルネットワーク、KHB東日本放送などメディア各社も取材に訪れた。

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贈呈式にはメディア各社も取材に訪れた

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会場にはすでに開発済みのメカジキを使った商品も展示された

 はじめに、推進委員会の菅原・委員長から主催者挨拶が行われた。
 「気仙沼は震災により多くを失いましたが、街の復興には基幹産業である水産業の再生が欠かせません。そうした中、私たちは水揚げ量70パーセントという、日本一のシェアを誇るメカジキにスポットを当て、ブランディングを始めました。昨年の春にはメカジキを使ったすき焼きやしゃぶしゃぶの料理を開発し、9月にはブランド化のための推進委員会も立ち上げ、メカジキを知ってもらう取り組みを続けてきました。そして『キリン絆プロジェクト』の支援を得られたことで、本格的なブランディングをスタートさせることになったのです。今後はメカジキを戦略的な食材と位置付け、食の街としての魅力を多くの人に知って頂けるよう、関係者が一丸となってブランド化に取り組みたいと思います」

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メカジキのブランド化を通じた街づくりに意欲を見せる菅原・委員長

 続いて、気仙沼市の菅原茂・市長からも挨拶が行われた。
 「気仙沼市民にとって、メカジキはなじみ深い食材であると同時に、圧倒的なシェアを持つオンリーワン・コンテンツです。また、地中海を中心に世界中で食べられていて、グローバルでありながらローカルな食材でもあります。ブランド化するにふさわしい魚種だと言えるでしょう。『キリン絆プロジェクト』によるご支援を頂けたことで、本格的なメカジキのブランド化に取り組めるようになりましたが、ブランド化を成功させるためには漁業者・加工業者・流通業者・料理人などが、一丸となって取り組まなければなりません。気仙沼市も全力で応援していきますので、メカジキに関わるすべての人たちが力を合わせて頑張ってほしいと思います」

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菅原・市長はメカジキ関係者が一丸となって、ブランド化に取り組むことが重要だと考えている

 菅原・市長の挨拶が終わると、推進委員会の菅原・委員長から事業方針の説明が行われた。
 推進委員会が取り組む「気仙沼メカジキの高付加価値化による『食のまち 気仙沼』プロジェクト」が目指すのは、気仙沼を観光客だけでなく料理人が学びに来る街にすること。気仙沼の基幹産業である水産業は、震災後、人手不足・利益率の低下・漁船漁業継続など、解決すべき課題を多く抱えている。メカジキをブランド化させ、多くの人が気仙沼市を訪れることで、街の経済を成り立たせ持続可能にしていくのが狙いだ。
 そのためには、気仙沼市民には当たり前となっているメカジキの魅力を、外部の人にも分かるように伝えなければならない。
 推進委員会ではこれまで、メカジキの素晴らしさを伝える冊子や動画を制作。「気仙沼メカジキ本」というタイトルの冊子は5千部を発行し、市内でメカジキ料理を出す飲食店などに置かれている。メカジキ動画は動画サイトで視聴できるほか、推進委員会のホームページの完成と同時に配信を開始し、メカジキをPRするためのイベントでも流す予定にしている。他にも、今年の3月から「メカジキツアー」を開催して観光客を呼び込むなど、様々な手法でメカジキの魅力を発信している。

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メカジキの魅力を伝えるために発行された「気仙沼メカジキ本」。
メカジキに関する知識や漁の方法、市内でメカジキ料理を提供するお店の紹介などが掲載されている

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事業方針発表ではメカジキ動画も放映され、メカジキ漁をしている漁師の姿などが紹介された

 今後は、メカジキを使った加工品も開発し、気仙沼を訪れた人がお土産として買えるようにするだけでなく、ネット通販で全国から注文を受けられるようにする。また、東京でメカジキ商品の発表会を開催するなど、メディアも巻き込んだ広報活動も予定している。
 さらに、特徴的な取り組みとして、「気仙沼美食倶楽部」の立ち上げがある。昨年12月、推進委員会のメンバーはメカジキのブランド化にも成功している、スペインのバスク地方を視察した。そこでは市民有志が立ち上げた「美食倶楽部」があり、人々が集まって料理や会話を楽しみながら、地域の食材や文化の魅力を外部に発信する取り組みが行われていた。同様の取り組みを、メカジキを中心に気仙沼でも行おうというのが「気仙沼美食倶楽部」だ。推進委員会では最初の「美食倶楽部」の立ち上げに関わり、その後は、市民有志による立ち上げを応援していくという。

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