活動について
各地域での活動
活動レポート
- 地元への深い愛情が人々を「絆」で結ぶ
- 郷土料理の商品化で食文化をつなぎ地元に誇りを取り戻す
- 人々の想いが新たなブランドを創り出す
- 被災した工場が被災地を応援するという取り組み
- 鯉ブランド復興にオール郡山で取り組む
- 宮城県の食材のファンを作る試み
フィッシャーマンズ・リーグ 「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」キックオフ会レポート (1/3)
地域を超えて水産業者が連携する組織
2016年6月17日、東京都台東区にある「まるごとにっぽん(浅草)」で、三陸の水産品を取り揃えた「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」のキックオフ会が行われた。
会を主催したのはフィッシャーマンズ・リーグ。東北の水産業のリーダーたちが連携しながら、世界に通用するブランドを生み出し、地域全体・水産業全体の利益に貢献することを目指して誕生した組織だ。3月から本格的な活動を開始したフィッシャーマンズ・リーグでは、現在、「三陸/SANRIKU」ブランドを世界ブランドにするためのプロモーション活動をはじめ、三陸わかめ・牡蠣の商品開発や販路開拓、また、食育活動などに力を入れている(ホームページはこちら:http://fml.or.jp/)。
フィッシャーマンズ・リーグが生まれた背景には、東日本大震災の影響がある。震災で壊滅的な被害を受けた岩手・宮城・福島の漁業者を支援しようと、一般社団法人「東の食の会」が「三陸フィッシャーマンズ・プロジェクト」を開始。「復興応援 キリン絆プロジェクト」水産業支援事業の助成も受けながら、個々の水産業者の売り上げを伸ばすべく、ブランディングやマーケティングなどについて学ぶ「三陸フィッシャーマンズ・キャンプ」も行ってきた。フィッシャーマンズ・リーグには、このキャンプに参加したメンバーが数多く名を連ねている(「三陸フィッシャーマンズ・キャンプ」に関する記事はこちら:http://kizuna-nipponfoundation.info/2013/10/-12.html)。
「キャンプでは岩手・宮城・福島といった地域の枠を超えて、水産業の生産者や加工業者が集まり交流しながら、各自の事業を伸ばすための勉強を続けてきました。フィッシャーマンズ・リーグではその活動をさらに発展させ、より大きな枠組みで水産業を盛り上げていきます。その第一弾が、三陸を世界ブランドにするための試みです。三陸の世界ブランド化が成功できたあかつきには、常磐や日本海をはじめ、日本全体で水産業を世界に誇れるブランドにできるよう、活動を広げていきたいと考えています」
フィッシャーマンズ・リーグの事務局を務める、「東の食の会」の高橋大就・事務局代表は、組織が目指す道筋について話してくれた。
フィッシャーマンズ・リーグの目指す活動について語る高橋・事務局代表
一方、フィッシャーマンズ・リーグに参加する東北の水産業者たちも、三陸の世界ブランド化には大きな期待を寄せている。
「地域の枠を超えて水産業者が集まることで、それぞれが抱える課題を共有しながら一緒に解決したり、互いに切磋琢磨しながら仲間づくりもできました。『三陸フィッシャーマンズ・キャンプ』から続けてきた活動の集大成が、フィッシャーマンズ・リーグだと思います。震災で大きな被害を受けたこともあり、水産業者は身近なところにばかりに目を向けがちです。フィッシャーマンズ・リーグでは、三陸という広い枠組みでブランド化を進めることで、個々の水産業者では難しい海外の販路開拓など、大きな可能性に気付かせてくれました。こうした経験を地元に持ち帰ることで、フィッシャーマンズ・リーグにまだ参加していない漁業者にも、よい影響が波及していくと信じています」
岩手県洋野(ひろの)町で海産物の加工や卸を営む下苧坪之典(したうつぼ ゆきのり)さんは、フィッシャーマンズ・リーグの可能性について語ってくれた。
フィッシャーマンズ・リーグとして活動することで、
東北の水産業者により大きな可能性が開けたと下苧坪さんは考えている
「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」のキックオフ会は、三陸を世界ブランドにするための、スタートとなるプロモーション活動なのだ。