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「三陸/SANRIKU」を世界ブランドにする試み

フィッシャーマンズ・リーグ 「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」キックオフ会レポート (3/3)

本気のブランドづくりが実を結ぶ日まで

 キックオフ会が終了すると、いよいよ試食会の時間になった。
 会場には「塩蔵わかめ」や「煮焼穴子」、「牡蠣フライ」、「塩水うに」、「ほや醤油漬け」など、フィッシャーマンズ・リーグのメンバーたちが生産した、選りすぐりの料理12品が並んだ。

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きれいに盛り付けされた試食会の料理

 また、「キリン一番搾り」をはじめとする、キリングループの飲料商品も提供され、キリン株式会社CSV推進部絆づくり推進室の野田哲也・室長が乾杯の挨拶を行った。

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「これからの世の中では、必要とされるモノ・コト・ヒトしか生き残らない」という著名シェフの言葉を引用して、
メンバーを激励しながら乾杯の挨拶をする野田・室長

 試食会に提供された料理については、生産者であるフィッシャーマンズ・リーグのメンバーからメニュー紹介も行われた。
 宮城県石巻市の十三浜で獲れるわかめを使った塩蔵わかめは、肉厚なのにやわらかく、シャキシャキした歯ごたえが特徴だという。
 三陸の海で獲れたホタテは、CAS凍結という特殊技術を使って保存。凍結しても細胞が壊れないため、解凍後もまるで水揚げしたばかりのような鮮度を実感できる。
 また、東京ではあまり知られていない海藻の「アカモク」も登場。ネバネバ感とシャキシャキ感が同居した歯ごたえが特徴で、栄養価が高く機能性食品としても注目されているという。

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試食会のメニュー紹介を行うフィッシャーマンズ・リーグのメンバーたち

 参加者たちはフィッシャーマンズ・リーグのメンバーから、素材となる海産物を獲るときのエピソードや加工品として開発した際の苦労話などを聞きながら、多彩な料理を楽しんでいた。

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試食会の参加者からは、「天然のウニが甘くておいしい」「味付けが良いのでビールも進む」
などの感想が聞かれた

 試食会の途中、経済産業省東北経済産業局の地域経済部で、東日本大震災復興推進室長を務める小林学さんにお話を伺った。東北経済産業局もフィッシャーマンズ・リーグの活動を応援しているという。
 「震災で東北の基幹産業である水産業は大打撃を受けました。水産業者の皆さんには一日も早く活気を取り戻してほしいですが、個々人の活動には限界があります。それがフィッシャーマンズ・リーグに参加して、三陸という大きな傘に入ることで、大規模な活動ができるのです。日本の魚食が低迷する中、国内の需要を喚起することも大事ですが、もっと海外に目を向けないといけません。しかし、水産業者単体では簡単にはいきません。震災後、各自治体レベルで海外からのバイヤーと地元の水産業者の商談会が開かれましたが、『もっと品ぞろえを増やしてほしい』『もっと生産量を上げてほしい』といったバイヤーの要望に応えられないことが多々ありました。それがフィッシャーマンズ・リーグのように、水産業者が連携する組織なら対応できる。特に若いメンバーの皆さんは、そのことに気付いているのでしょう。東北経済産業局も、三陸を世界ブランドにするためのビジョンづくりに協力しています。資金面でも、復興庁や水産庁と連携しながら、できる限りの協力をして、皆さんの海外展開を後押ししていきたいですね」

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行政の立場からフィッシャーマンズ・リーグの可能性について語ってくれた、小林・室長

 「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」は6月17日から19日まで開催され、フィッシャーマンズ・リーグの商品が一般向けに販売されたほか、バイヤーとの商談会も行われた。また、食育プロジェクトの第1弾として、三陸わかめを使った大人向けの食育イベントも開催された。会場となった「まるごとにっぽん(浅草)」のカフェでは、フィッシャーマンズ・リーグのメンバーが開発した料理も、期間限定で提供されている。

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フィッシャーマンズ・リーグの商品売り場にも多くの人が足を運んでくれた

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売り場の入口に飾られた、「SANRIKUフィッシャーマンズ・フェス」を告知するPOP

 フィッシャーマンズ・リーグの活動は緒についたばかり。これから長く険しい道のりが待っているに違いない。しかし、「三陸を世界ブランドにする」という確固たる目標のもと、本業を立て直すだけでも大変な中、メンバーは本気で地域を超えたブランドづくりに取り組んでいる。その思いが日本だけでなく世界の人々を動かし、「世界のSANRIKU」と呼ばれる日が来ることを願ってやまない。そしていつの日か、三陸だけでなく日本の水産業全体が、世界に誇れるブランドとなれるよう、フィッシャーマンズ・リーグのこれからの活躍に期待したい。

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三陸を世界ブランドにするために、力を合わせて頑張ります!

取材協力/有限会社パワーボール、写真撮影/和田剛

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